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身体状況や生活に合わせられる車いす
2021.10.06

皆様、こんにちは。ライフサポートチームの道上です。

今日は「安楽姿勢」と車いすの関係についてお話ししたいと思います。車いすがお身体に合っていないと、日中活動したり、食事をとったりする際の筋肉の動きを妨げてしまいますが、座位の崩れは意外と見落とされがち。「最近元気がない」と思ったら座位が原因だった、というケースも少なくありません。

今回は、ご利用者様ご家族と、ご利用者様の普段のケアをされているヘルパーの方々からご相談を受け対応させていただいたケースをご紹介しようと思います。

「安心して食事をさせたい。」打開策は!?

発端は、定期点検でお邪魔させていただいたときのお話・・・。

午後昼下がりにお邪魔させていただいたところ、利用者様が丁度、遅めの昼食を終えられたところでした。

お変わりないか尋ねると、ヘルパーの方から、「最近、車いすに移ってもすぐにベッドに横になりたがる。」「食事でむせることが多くなった。」と伺いました。ご家族も、「食事中、よくせき込んでいる」とおっしゃっていました。「食事ぐらいは安心して食べさせたい」とのお声を受け、食後のデザートのゼリーを食べていらっしゃるところを見せていただいたところ、背もたれにもたれかかったまま、スプーンですくったゼリーを口で迎えに行く動きが見られました。つまり、首だけを前に垂れて飲みもうとしたせいで、うまく呑み込めずせき込んでおられたのです。

「いつも車いすに乗ってお食事されてます?」

そうお尋ねしたところ、車いすで移動されるようになってから車いすで食卓に着いていることが分かりました。

以前は、自室からヘルパーの方に介助してもらいながらリビングに歩いて向かい、ダイニングチェアに腰掛け、お食事をされていたのですが、最近はダイニングに辿り着く途中でへたりこんでしまうことが多々あり、車いすでの移動にされたとの事。また、お食事中にせき込むことが多くなったのも車いすで移動するようになったころからだったかもしれないとも教えていただけました。教えていただいた事から、ベッドから離れたがらないことや、食事中の誤嚥は、車いすの座位姿勢に問題があるのではないかと推測。

(現状の動作確認や最近変えたことなどを確認することは原因を絞り込むうえで非常に重要です。)

ご本人に確認してみると、「座っていると疲れる」、「腰が痛い」、「歩くよりは楽だから車いす」と、出るわ出るわ、不満爆発です。そのころ使用されていた車いすは、同居しているお父様が購入し、使用していたものでした。そのため、ご利用者様の体型には合っておらず、窮屈そうに身をよじって座ってらっしゃいました。ご利用されている方は、右片麻痺の方で、背中の右側に骨性の凸変形があります。

車いすを変えたら、日常生活動作(ADL)が向上した!

上の写真は、これまでご使用になっていた車いすに乗られた姿です。右背面の凸変形が背もたれに当たってしまい、腰と背もたれの間に隙間が出来てしまっていました。その状態で車いすに座っているため、お尻を前にずらして、座っているというよりは、落ちないように‟耐えている”状態これでは腰は痛くなりますし、座っているのも疲れるはずです!

そこでお父様に許可を頂き、「スマート+」を用意することに。

「スマート+」は、一般的に多機能型と呼ばれる車いすで、特に背もたれの調整幅が広くとられています。ご利用されていた車いすは、多機能型ではありますが、背もたれの調整幅が利用者様の合わせられるほど広くありませんでした。

右背面の凸変形の部分の背もたれを調整し、受けられる隙間を確保したことにより車椅子に対して座り位置が後ろに下がり、腰と背もたれの間の隙間を埋めることが出来ました。また、それにより腰(骨盤帯)を車いすの背もたれで支える事ができます。

腰は体の中心ともいわれるように、立位でも座位でもバランスをとる要となります。腰をサポートし安定させることにより、上体や足を使いバランスをとる労力が緩和されます。そのため、各部の筋肉の緊張が緩和され、安楽な姿勢をとる事ができます。

この利用者様は、食事のせき込みが減り、車いすに座る抵抗が減ったとヘルパーの方から伺いました。元々、食欲旺盛な方なので、体重が増えてきてしまったと苦笑いされてしまいました。利用者様は刻み食やとろみ食を苦手とされていて、このまま誤嚥が続くようなら無理にでも変更しなければいけないと考えていたそうです。

私も食べる事は好きですし、楽しみの一つでもあります。今回は、食事に対しては間接的なアプローチになりましたが、うまく対応することができました。

しかし、お一人お一人ごとに求められている事は違います。また、同じ事案で困っている方でも、今回と同様の対応でうまくいくとは限りません。

そういった方々の問題解決の一助となれるよう、尽力してまいります。

 

 

 

 

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この記事を書いた人 道上聡
約8年間ほど飲食業に携わっていましたが、リハビリテーションの勉強をするため専門学校に入学いたしました。そこで、福祉用具や医療機器に触れ、福祉用具に携わる道に進みました。利用者様に寄り添い、身体状況を踏まえて生活スタイルを提案させていただきます。
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