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介護リフトをもっと身近に!「介護リフトのサブスク」誕生のわけ
2021.4.10

皆さま、こんにちは。代表の宇吹博志です。

今回は、弊社が取り扱いを開始した「介護リフトのサブスクリプション」企画のきっかけをお伝えしたいと思います。

 介護機器のネガティブ・ウォール

私はちょうど2年前の2019年4月に当社に入社し、代表を拝命させていただきましたが、実をいうと「サブスクリプション」を活用した介護機器の供給は、入社前の2018年の秋ごろからすでに考え始めていました。

介護機器、特に介護リフトは有効に活用されていらっしゃる介護施設もあるかと思えば、ネガティブなイメージや先入観をお持ちなのか、「介護は人の手でやるものだ」、「使い方がよく分からない、うまく使えない」、「値段が高い」などといったご意見をよくお聞きしていました。このネガティブ・ウォールとも思える大きな厚い壁を壊して、どのように介護リフトを提案していったらよいのかと、この課題について悶々としておりました。

「ノーリフティングケア(人力で抱え上げない介護)」は、単に介護リフトを使った介護方法と思われがちですが、介護という労働環境の改善の一役を担うものであり、誰でも移乗介護を安全に出来ることにより仕事の偏りを解消し、介護スタッフは本来のケアの時間を拡大することが可能になるものです。ただし、この提案には、介護施設ごとの方針や特徴、移乗介護の現状をよくお聞きし、把握する必要がありました。

仮説が確信に変わった、一冊の本との出会い

ちょうどその頃、たまたま新聞の書籍紹介で見たのがビジネス本「サブスクリプション」です。副題の「顧客の成功が収益を生む新時代のビジネスモデル」が目にとまりました。それまで、私はサブスクというと月額課金、継続課金と思っていたのですが(現在もこのように和訳されていることが多いです)、この本では「サブスクリプションは単なる課金形態の変更ではなくビジネスモデルの変革である」と説明しています。この一文に引き込まれました。

読んでみると、この本は、私にとって衝撃的でした。

表紙を開けると、そこには「モノが売れず、すべてがサービスとして提供されている時代には、顧客との長期的なリレーションシップが成長の鍵となる。」と説いています。

常々、私が思っていたこと、例えば、「お客様は買うことよりも使うことが大事なのではないか」、「使ってみよう、試してみようと気楽に思ってもらえないだろうか」、「使いこなすのが難しいように見えるのであれば、売ることばかり考えず、事業者側が変わる必要があるのではないか」、「お客様との関係づくりを変える必要があるのではないか」、その解があるように思い、この本を貪るように読みました。

この本では、テーマごとに論理的な説明と理解しやすいように事例が掲載され、多くのアイディアを生むきっかけとなりました。本の論評が目的ではありませんが、これほど参考になったビジネス本はなく、数回読み返したほどでした。

「介護リフトのサブスク」の企画へ

そして、私は2019年4月に当社に入社し、当社もその構成会社の1社である日本ケアリフトサービス株式会社(JCLS)の皆さまと介護リフトの提供方法の変革について議論を開始しました。JCLSは介護リフトを取り扱う4社の共同出資により2012年5月に設立され、製品の共同購買等を行ってきた会社です。そして2019年はJCLSでも製品だけではなく自社ブランドとしてお客様に有益なサービスを立ち上げる時に来ていました。

私たちJCLSの議論では、お客様は何を望んでいて、そして、私たち事業者にとって何をすべきかを検討し、企画していきました。

お客様にとっては、手軽に始められること、費用対効果がわかること、使えないと思ったら交換も返却もできること、そして、私たち事業者は、売ることから使ってもらうに力点を移すこと、初期営業だけではなく継続利用にも注力すること、付帯サービスをきちんと明示して料金に盛り込むこと、ただし価格的に魅力があること、などなど多くのテーマがありました。

「介護リフトのサブスク」の実現へ

ここにJCLSは大きな武器を得ることができました。JCLS代表の髙橋恒治氏が発案した「Malpos Major®(マルポスメジャー)」です。これは介護スタッフの腰に装着するセンサーベルトと心拍計がセットになった計測システムで、移乗介助時に生じる介護スタッフの腰痛リスクとストレスを測定します。これにより、介護リフト導入前後で介護スタッフの腰痛リスクがどう軽減したのかを数値でお客様にお示しできるようになりました。介護リフトの費用対効果を明確に示すことができると既に多くのお問い合わせをいただいています。

また、JCLSではこの「介護リフトのサブスク」を立ち上げるにあたって、導入先の先駆的な事例や経験等を活かし、介護リフトを使いこなしていただき定着するまでの手順をまとめ、ノウハウを具現化・標準化しています。

この「介護リフトのサブスク」は、2020年12月から営業を開始し、この4月から本格的に実施していきます。介護機器の提供方法に科学という視点を加え、お客様と長期間の信頼関係を築き、お客様が成功することが会社の利益になることを「介護リフトのサブスク」を通して実現していきたいと思っています。

介護リフトのサブスクリプション Malpos Major Inspectallation Service(略:M.I.S.)の専用サイト

https://jcls-mis.jp/

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この記事を書いた人 宇吹博志
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2019 年3 月に医療介護ベッドのメーカーを退職し、同年4 月に当社の代表取締役となる。前職中から新規事業の立ち上げの縁が多く、Cool and Soul、冷静に事業計画を作りつつ、一方では熱き思いをもつことがモットー。「50 の手習い」で始めたアルトサックスの演奏が上達せず、悩みの種。
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