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会社設立40周年記念|オオタ商会時代からの20年選手が語る「過去・現在・未来」

編集部より UPRIDE編集部  -  2026.4.13

いつもアップライドマガジンをご愛読いただきありがとうございます。
今年の4月は私たちにとって少し特別な月です。今月でちょうどオオタ商会時代から数えて会社設立40周年を迎えると同時に、弊社と皆さまをつなぐフリーペーパー「アップライドボイス」も50号記念号の発刊にこぎつけました。そこで今回はいつもと趣旨を変えて、社内で唯一、オオタ商会時代から在籍している朝日信一郎にインタビューを敢行!弊社代表・宇吹も「一見シャイだが中身は熱い男」と太鼓判を押す朝日。その内側にある想いに迫ってみましょう。

現在、取締役を務める朝日信一郎。

大手商社の内定を蹴って、直感で飛び込んだ介護福祉用品の世界

社会人になってからずっと介護福祉用品業界に身を置き、業界の移り変わりを見てきた朝日。この世界に足を踏み入れたのは、ひょんなきっかけからでした。

朝日
「オオタ商会に入社したのは2005年ですが、前職も福祉用具レンタルの会社でした。実は大学卒業前に大手商社に就職が決まっていたんですが、たまたま母親の知り合いがある病院の経営層にいて、地域に根ざした介護事業をしているということで、 “一度話を聞いてみたら?”と軽く言われたんです。当時は介護保険が始まって間もない頃で、あまり深い考えもなく、介護業界もいいかと思って、もう入社直前だったのに内定を辞退して進路変更してしまいました。僕の勤務先は病院付属の福祉用具事業部でしたが、オフィスは駐車場脇のバラック小屋みたいな傾いた建物。初出社の日、マジか!と思いましたよ(笑)」

「それでもやっているうちに仕事が楽しくなってきて、他部署に異動を命じられたタイミングでオオタ商会に転職したんです。当時オオタ商会は、渋谷区にあるリハビリテーション病院内に福祉用具ショップを持っていました。僕はそこでレンタル部門担当として、病院のセラピストさんともやり取りさせていただきながら、福祉用具がリハビリに与える影響を目の当たりにしたんです。専門的な医療と福祉用具の力を借りて人生を再建していく方々の姿から色々学ばせていただいて、福祉用具の重要性に改めて気づき、前職では味わえなかった価値を実感できたという感じでしょうか」

ノーリフティングケアの概念上陸から10数年、理解浸透はまだ道半ば

当時のオオタ商会は、まだ介護用リフトの価値がほとんど認知されていなかった中で、早くからリフトの重要性を訴えていました。その後、2009年頃にようやくノーリフティングケア(人力で抱え上げないケア」の概念が日本に上陸。2012年にはオオタ商会を含む4社により、JCLS(日本ケアリフトサービス株式会社)が設立され、やがて朝日もオオタ商会とJCLSの役員を兼任することになりました。

振り返ればリフト活用を訴えて約20年という歳月が過ぎたわけですが、朝日からすると「理解の浸透はまだまだ道半ば」というのが本音だそう。

朝日
「もちろん以前よりは浸透が進んだ部分はあると思いますが、それでもリフトを使うメリットが、まだ“腰痛予防”程度にしか理解されていないんじゃないかな。でも本当は、リフトの価値の半分はご利用者様のためにあるはずなんです。さらに去年ぐらいからリフト導入に補助金が付くようになりましたが、本当の意味を理解して使っていただかないと、わざわざ補助金を使って入れたのに結局使われずに埃をかぶってしまう、ということになりかねません」

「昨今、生産性向上の掛け声のもとで、多くの施設様が見守りセンサーとかインカム、タブレットの利用や、介護記録のデジタル化には積極的に取り組んでおられます。でも、話がリフトとなると、“リフトを使ったケアは時間がかかって生産性向上につながらない”という表面的な理解にとどまっていると感じますね」

社名変更と組織改革に至るまでのいきさつ

実は朝日は、オオタ商会時代の2017〜2019年の3年間、代表取締役を経験しています(2019年は現代表取締役・宇吹との共同代表)。

朝日
「いろんな事情が重なった結果、自分がやらざるを得ない状況になったわけですが、あの経験は非常に勉強になりました。ただやはり更なる組織改善のため、経営の知見のある方に入っていただく必要があるという結論に至り、太田会長が仕事でつながりのあった宇吹さんに白羽の矢を立てたわけです。僕自身も、宇吹さんが入ってくれたら良い変化が生まれるだろうという思っていましたから、会長と一緒に宇吹さんを口説きましたよ」

誘いを受けながらも2年ほどは答えを保留していた宇吹。ある夜、太田会長を含めた3人での会食を終え、宇吹と朝日がふたりして2軒目で飲み直していた時、朝日は「うちに来てほしい」との思いを熱く本人にぶつけたそうです。

朝日
「僕も、言う時は言うんです(笑)。それに、大手メーカーで製品の企画開発に関わってきた宇吹さんのような人に来てもらえるのは、オオタ商会だけでなくJCLSにとっても大きなプラスでした」

太田会長(左)から任命を受けて代表の座についた宇吹。

2019年に宇吹がメンバーに加わってからは、社名変更を含むリブランディングや、JCLSでの製品開発も加速。そして2021年1月に「アップライド」に社名変更、同年12月にはJCLSから、念願の自社開発の介護リフト「SOELシリーズ」を発表するに至りました。朝日にとって、ものづくりの根幹を垣間見るのは、ずっと福祉用具に関わってきたキャリアの中でも初めての経験でした。

朝日
「僕にとってもそれは非常に貴重な学びでした。企画製造はかかる資金も大きいですし、こんなに大変なんだと感じることばかり。道のりが簡単ではないからこそ、テストサンプルが出来上がって良い評価を受けると嬉しいし、製品に自信が持てるからこそ、これをしっかり売っていくんだという責任もグッと増します。ただ仕入れた物品を売るのとはスタンスが全然違いますね」

アップライドとして再出発してから、社内の空気はどう変わった?

トップ交代と社名変更、リブランディングを経て新たに生まれ変わった弊社アップライド。宇吹が代表に就任してからの変化を、朝日はこんなふうに見ています。

朝日
「先ほど、ノーリフティングケアの理解浸透はまだ道半ばだと言いましたが、そんな中でも、弊社がホームページやアップライドボイスなどで情報発信に力を入れてきたことで、ちゃんとノーリフティングケアをやろうと考えている施設様からの問い合わせが増えています。少しずつですが、JCLSが主催するユーザーの集い〈SOELコミュニティ〉の参加者も増え、モノだけを介したお付き合いではなく、背景にあるビジョンまで共有した上で、長期的なお付き合いができるお客様が増えていますね。ただのリフト販売店というよりは、業務改善とか離職予防とかを含めた、いろんなことを相談できる会社であり、ここに相談すれば、今よりちょっといい未来が開けるんじゃないかという期待感が生まれているように感じます」

法人の壁を超えた横のつながりを生み出している「SOELコミュニティ」。

そして、いま朝日が目指すのは、そのような長期的関係を築けるようなコミュニケーションの質向上を社内全体で図っていくことです。

朝日
「弊社では、介護現場の課題可視化と、ノーリフティングケア研修、介護リフトお試し利用の3つのサポートをセットにした“サザンカプラス”というパッケージを活用しながら、最適なソリューションをご提案しています。弊社だけでなくJCLSも含めて、リアルな効果測定に基づいたエビデンスがある仕事をしている会社だという信頼をいただいている手応えがありますね。また、何でもかんでも売るというわけではなく、やっぱり移動・移乗にこだわりを持っているので、移動・移乗に困ったらアップライド、という評価が定着しつつあるのかなと感じます。そこは他社と一番違うところかもしれません」

福祉先進国デンマークの著名作業療法士から移乗介助を学ぶ研修も実施。

カウンセリングに基づいて移動・移乗のお困りごとを解決するというこだわり。ブランディング以前から潜在的にあったその強みは、社内で「アップライドブック」制作のための議論を重ねる中でより明確になりました。

朝日
「今は社内のコミュニケーションもとても活発になりました。宇吹さんがブランディング活動などを介して、若い世代にどんどんに役割を持たせたことで、みんなで会社を良くしていこうっていう気運が高まっていますね」

お困りごとを抱えた施設様と、更なる出会いを求めて

5年後、10年後のアップライドの理想像を尋ねると、朝日はしばらく考えて、こんなふうに答えました。

朝日
「まずは僕らが関わったお客様すべてに幸せになってほしい。そして、移乗と移動のプロフェッショナルという立ち位置を起点に、この目の付けどころはアップライドにしかできないよねってお客様に思っていただけるような製品とかサービスを形にしていきたいです。あとは僕がいま担当している北海道や東北にも、まだまだお困りごとを抱えた施設様がたくさんあって、展示会でもお問い合わせをいただくことが増えているので、もっとそんな方々の力になれたらと思います」

インタビューの最後を「今お付き合いいただいているお客様はどなたもあったかい方々で、本当にありがとうございますと伝えたい」と、感謝の言葉で締めくくった朝日。そんなところにも、彼らしさが溢れていました。

 

 

 

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