こんにちは。トランスファーサポートチームの山田です。
実は急に今年から花粉症に悩まされ始めており、薬を服用してみたり、ちょっと高い箱ティッシュを買ってみたりしています。
やはり資金をかけるとそれなりに効果があり、日々の生産性が上がるのを感じます。
さて無理矢理こじつけましたが、ここ数年介護現場においても「生産性向上」という言葉がよく使われます。
「生産性」なんて介護とは相性の悪い言葉、という印象を持たれる方もいらっしゃるかと思いますが、そうとも限りません。
厚生労働省は、「介護サービスにおける生産性向上」の意義を「人材育成」「チームケアの質の向上」「情報共有の効率化」とし、それらによって達成される上位目的を「介護サービスの質の向上」と説明しています。
言い換えれば、生産性が上がって業務が効率的になっていくと、リソース (時間や人材など)に余裕ができて質の高いケアができるようになる、ということです。

厚生労働省『介護サービス事業(施設サービス分)における生産性向上に資するガイドライン』より引用 https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/Seisansei_shisetsu_Guide.pdf
このような取り組みについて厚生労働省は、実は定期的に説明・促進の機会を設けています。
2025年3月18日にも、ベルサール半蔵門にて「介護現場における生産性向上推進フォーラム」が開催されました。
私山田も参加し勉強してまいりましたので、本記事では当日の様子をご紹介したいと思います。
厚労省主催のフォーラムでも、注目は「生産性向上と公的支援」
フォーラムの会場はとても綺麗だったのですが、講演中の撮影はNGでした……。
会場には、体感では200〜300名ぐらいの参加者がいらしたほか、介護テクノロジーの展示・体験スペースが設けられていました。
総じて、会場内は和やかで前向きな雰囲気で、介護の未来を考える方々の熱意を肌で感じた1日でした。
講演内容は多岐にわたり、厚生労働省からの支援政策動向の説明に始まり、専門家による生産性向上の取り組みのポイント解説が行われました。
加えて、都道府県の取組支援担当者・相談窓口による方針報告も展開されました。
また、実際に生産性向上に先駆的に取り組まれている事業所の皆様からは、リアルな現場の報告・発表をお聞きできました。
その中には、弊社リフトをお使い頂いているユーザー様の集い「SOEL COMMUNITY」で昨年6月に事例発表をいただいた、「特別養護老人ホーム 六甲の館」様の姿も。
2024年6月「第3回SOEL COMMUNITY」の様子はコチラ
実際の取り組みへの資金援助については、「介護テクノロジー機器導入」への支援と、「ケアプランデータ連携システム活用」への支援に大別されます。
以下では、介護リフトにも関わる前者に焦点を当て、内容を簡単にご紹介します。
介護テクノロジーへの助成は、導入だけでなく「活用の実態」がカギに!
2025年度の介護テクノロジー導入支援事業では、昨年度に比べ対象の拡充・要件の追加が予定されています。

厚生労働省『介護テクノロジー導入・定着支援事業』より引用 https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001258062.pdf
特に、①業務改善計画の報告、②生産性向上に関する委員会の設置、が補助要件として必須となるようです。
一方、対象の機器についてはフォーラム内で詳しい説明がなされませんでした。
しかし他方では、公益財団法人テクノエイド協会が、HP内「福祉用具情報システム」に「介護テクノロジー」の製品情報を掲載しています。
同法人はこの目的を、都道府県等にむけて「介護テクノロジーの導入・利活用に資する」ためとしています。(※1)
※1 公益財団法人テクノエイド協会『厚生労働省が行う導入支援の対象となりうる製品情報の収集・提供』より引用
https://www.techno-aids.or.jp/robot/jigyo.shtml#tab45_detial
因みに弊社製品の各介護リフトも、同法人の製品リストに「介護テクノロジー」として掲載いただいております。
実際の助成事業の主体は都道府県のため、最終的な判断は各自治体が行うものの、助成対象の明確化への動きがあることは間違いないようです。
また、テクノロジー活用の推進策として、昨年度の介護報酬改定にて「生産性向上推進体制加算」が設けられています。
これには区分があり、上位の加算を受けるには、効果測定・実績報告・介護テクノロジー3種の神器(見守り機器・インカム・介護記録ソフト)の導入が必要です。

厚生労働省『令和6年度介護報酬改定 生産性向上推進体制加算について』より引用 https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001280909.pdf
つまり、介護テクノロジー機器の「導入」だけでなく、活用を促すための施策です。
導入だけで終わっては意味がない、という方針は、フォーラム中一貫して強調されていたように感じました。
都道府県別相談窓口の方も、機器導入前の事前相談が活用の鍵であることや、そのための伴走支援を受けることが重要であると、講演の中で繰り返し仰っていました。
政策動向を受けて 〜アップライドの今後の取り組み〜
アップライドでは、今後もこのような情報のアップデートを図り、お客様へのご提案に活かせればと考えています。
行政からの加算や助成の発表を受け、どのように取り組むか悩んでおられる事業所の皆様は、是非一度ご相談ください。
まずは政策の動向や展望をご説明に伺う、といったことも可能です。
また、ご好評をいただいております弊社の介護リフトトライアルサービス『サザンカ』も、皆様へ更なる伴走型のサポートをご提供できるよう、リニューアルを予定しています。
詳細は近日中に公開予定ですので、こちらも是非チェックしてみてください!