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#56

福祉用具専門相談員としての成長とライフサポートチームとしての成長

みなさん、こんにちは!
ライフサポートチームの髙木です。
2020年1月、私たち、オオタ商会ウェルネット事業部は、
アップライド株式会社ライフサポートチームとして再発進しました。
これまでは、弊社ホームページ上での「アップライドマガジン」や
紙面での「アップライドヴォイス」にて福祉用具専門相談員の個々の事例紹介を交えながら、
ご紹介をさせて頂きました。
しかし「福祉用具」の事例紹介となると、福祉用具本体のことにスポットが当たりすぎてしまい、
その背景にある「福祉用具専門相談員」「ライフサポートチーム」の考え方について、
十分にお伝えしきれていなかったように思います。
そこで、今回はライフサポートチームメンバーの頭の中を共有するコラムを、
お届けしたいと思います。

 

私たちの役割とは・・・

私たちライフサポートチームは、主として介護保険制度や障害者支援制度に基づき、
福祉用具専門相談員として業務に当たっています。
介護保険制度上で求められる福祉用具専門相談員の役割とは、
利用者の心身の状況、希望、環境などをアセスメントし選定や使用などについて、
専門的知識に基づき相談に応じることや情報提供を行うこと、
また調整、指導、修理などを行うことが主となります。
その役割を果たし続けるためには、変わりゆく利用者の状況や希望、環境などを絶えず把握することや、
福祉用具の選定や使用などに対する専門知識のアップデート、調整、指導、修理技術の向上を図ることが理想です。

 

資格の取得は簡単♪・・・だが現場に出て痛いほど思い知る

文面にすると、前項のように5~6行で凝縮されてしまうのですが、
「アセスメント」「選定」など、1つ1つのことは本来けっこう難しいことなのではないかと
常々考えています。
私たちの福祉用具専門相談員は、医師や看護師、セラピストのように数年かけて、
専門の学校へ行くわけでもありませんし、国家資格でもありません。
50時間、1週間程度の講習を受ければもらえる資格です(決して卑下しているわけではありませんが・・(^^;)
分厚い講習テキストを、ものすごいスピードで進めてゆくため、何の予備知識もなく講義を受けた場合、
下手をするとほとんど頭に何も残らず講習が終わってしまう可能性すらあります。
もちろん覚えられることもあるにはありますが、基礎知識が主となりますので、
福祉用具専門相談員になる前と後で飛躍的に知識が増える・技術が上がるということは期待できないのです。
福祉用具専門相談員の講習を修了し、現場に出て活動する時点で、ケアチームのメンバーの中では、
圧倒的に致命的に理解度が低く、ケアチームが集まった場所で発言することもありません。
その場で決まって指定された福祉用具を持って行くという、ただの「配送員」でしかない場合もあります。
私が福祉用具専門相談員になったばかりの頃は、やはり「福祉用具専門相談員」と呼ばれるよりも、
「業者さん」と呼ばれることの方が多かったように思います。

 

「業者さん」から「福祉用具専門相談員」になるために

それでは、どうしたら「業者さん」から脱却し「福祉用具専門相談員」として認められるのでしょうか・・・。
基本的に近道はありません。
知らない言葉や理解ができないことは、都度、都度、質問をして聞くしかないのです。
もちろん、しばらくは苦しみます。
ですが、何の苦労もなく、何年もかけて頑張って勉強し、
難しい国家試験をクリアした方々と同じレベルで会話をし、共有するなんてできるわけがありません。
理解できなかったことはメモを取って調べたり、それでもわからないことは、
勉強会や研修に参加するなど、どれだけ自己研鑽ができるか、経験を積めるかが、
まず「福祉用具専門相談員」と認められるために必要なことだと思います。

 

「福祉用具専門相談員」から「信頼される福祉用具専門相談員」になるために

辛い思いをしながらも、何とか他職種の話していることがわかってきた、、、。
嬉しいことは嬉しいのですが、やっとここまででスタートラインに立てたくらいでしょうか。
前述の通り、本来「福祉用具専門相談員」の役割とは
「利用者の心身の状況、希望、環境などをアセスメントし、福祉用具の選定や使用などについて、
専門的知識に基づき相談に応じることや情報提供を行うこと、また調整、指導、修理などを行うこと」
であるはずです。
他職種の話していることがわかっただけでは、専門職としての役割を果たしているとは、とても言えません。
他職種の話していることが理解でき、その上で適切な福祉用具の相談や情報提供を行ってこそ、
「信頼される福祉用具専門相談員」になるための第一歩だと思います。

 

得意・苦手はあるけれど・・・

車椅子の調整は得意だけど、担当者会議で話すのはちょっと苦手・・・
歩行器の選定は得意だけど、住宅改修の段取りは苦手・・・など、
同じ福祉用具専門相談員であっても、今までの経験の積み重ねで、「得意なこと」「苦手なこと」があります。
それは、1人1人違った環境で生きてきた人間なので、当たり前と言えば当たり前ですね・・。
私の場合は、自分の考えに自信を持つことができなかったり、
間違った考えだったらどうしようという気持ちが強く、
思ったことを声に出さずに飲み込んでしまうことが多かったです。
当時の上司から、「この間の会議の時に全然発言が無くて、何を考えているかわからなかったって、
ケアマネジャーさんから言われたよ」なんてお叱りを受けたこともありました・・・。
正直なところ、やっぱりショックです・・・。
どうしたらいいか、けっこう悩みました。
ある時、お叱りを受けた上司から「考えていることを言わないで損をするのは利用者なんだよ、
試しに言ってみて、ダメな時もある。でも、もし利用者の生活に新たな発見があったら、すごいことじゃない?
自分が言ったことで、人の人生が変わることのきっかけになるかもしれないよ?もったいないよ」・・・と。
その言葉があったから、今は考えたことを伝えられるようになりました。(的外れな時もあり・・)
苦手なことも何かのきっかけで変わったり、練習することで慣れたり、勉強したり。
苦手なままのこともあるかもしれません。
ただ、「一生懸命取り組む姿勢」は、いつか誰かの助けになれると思います。

 

ケアチームの一員としての役割を果たす

一生懸命になりすぎて、我を忘れてしまうのは考えもの・・。
私たち福祉用具専門相談員は、介護保険制度上で、ケアマネジャーの作成するケアプランに基づいて、
業務を行います、一生懸命だからと言って、勝手気ままに単独で動いて良いわけではありません。
私たちが提供した福祉用具は、ご本人が満足すればよいのか?
そんなことはありません。
一緒に暮らすご家族はへの影響は?
援助に入るヘルパーへの影響は?
身体の動きを心配しているセラピストの評価は?
ケア全体のバランスを考えるケアマネジャーの意見は?・・・・etc.
このようなことを考えないと、一生懸命やっても、福祉用具専門相談員の自己満足の領域に留まってしまいます。
福祉用具を通して、ご本人の生活・生涯にプラスとなる支援をケアチームのみんなと協力して行ってこそ、
ケアチームの一員としての役割を果たすと言えるのではないでしょうか。
また、「ライフサポートチーム」としての役割も果たせるのではないかと思います。

 

最後に・・・

私たち「ライフサポートチーム」は、多種多様な人生経験を積んできた「福祉用具専門相談員」の集まりです。
各々、それぞれの個性を活かしながら、苦手なことにも一生懸命向き合い、
しっかりとした土台を作りたいと考えています。
集合写真では、ちょっとぎこちなく、そして不器用感満載ですが、
生活・生涯の支援に取り組む私たちのポジティブな熱意を、
携わる皆さんにも感じて頂けるようなチームを目指します!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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この記事を書いた人
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高木仁志
外食産業に15年従事し、東日本大震災を機に困っている方のお手伝いがしたいと一念発起。福祉業界に足を踏み入れる。プライベートでは、小学生と保育園児の長次男に振り回される、ラーメンが好きなおっさん。
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