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はじめての国際福祉機器展レポート ~巡って・立って感じたこと~

こんにちは。
トランスファーサポートチームの山田です。

去る10月5日から7日に、東京ビッグサイトにて国際福祉機器展2022(以下HCR)が無事開催されました。
弊社も日本ケアリフトサービスのブースにて、販売代理店として出展いたしました。
あいにく天気は3日間とも雨模様でしたが、お足元の悪い中にもかかわらずご来場いただいた皆様、誠にありがとうございました!

実は私自身、会期の3日間のうちの1日は、いち来場者として入場して展示会を見て回り、勉強させて頂きました。
そこで今回は、一方では福祉業界に携わって半年あまりの私が、初めてのHCRを見て回って感じたことを記事にさせていただきます。
また他方では、ブースに立った一人の展示スタッフとしても今回の展示会の所感を綴らせて頂ければと思っております。

 

はじめての大規模展示に圧倒! これぞHCR。

まずは早速、来場者としてHCRに飛び込み、福祉用具の嵐にさらされた私の様子をお伝えしたいと思います。

HCR当日、ビッグサイトに到着した私はまず、その規模の大きさに圧倒されました。
東展示棟のほとんどがブースで埋め尽くされ、それぞれに企業の粋が詰まったサービスが並べられているさまを見て、これが日本一の福祉機器展なんだ!と思わされました。
ところが、いざ無策で端から順番に展示を見て回ろうとすると、その規模の大きさ故に全く時間が足りません。
幸い私は上司と相談の上で、特に拝見したいブースをあらかじめチェックしてはいたのですが、それでも一日中展示を回ってなお時間が足りない!と思うほどでした。

とはいえワクワクしながら展示場を駆け回ってきましたので、そこで感じたことや気づいたことを大きく3つに分けてお話しさせて下さい。

 

①福祉用具を見て・触って感じるということ

1つ目はなんといっても、福祉用具を実際に触って体験することの価値についてです。
HCRで膨大な数の福祉用具を見て・触らせて頂いて、実際に用具を選ぶ上でも事前に体験することが大切だと改めて感じました。

例えばベッドのマットレスの寝心地や、車椅子のクッションに座った時の感触、手すりの持ち手の握りやすさ…。
どれをとっても、カタログや商品のホームページを見ただけでは実感しにくいものです。
しかも、HCRでは色々なメーカーさんの製品を体験し放題です。そのうえ、面倒な体験申し込みの電話も必要ありません。
思えば、家を借りる前に内見したり、車を買う前に試乗したりすることと同じことなのかもしれません。
毎日の生活に深く関わるものを購入する時は、そのものの価値を身体で実感することは必須のように思います。

また、弊社のご提案するリフトについても同様で、実際にリフトに吊られた時の揺り籠のような安心感は、是非ご自分の身体で体感して頂きたいと思っております。

 

②見えないニーズを形にするということ

HCRでは、実際の機器の体験に加えて、様々なメーカーの方とたくさんお話しさせて頂くことができました。
メーカーの方に相談しながら機器を触ることができると、体験者が自身でも気づかなかった疑問や課題を引き出して頂くことができます。
これこそが、展示を見て改めて気づかされたことの2つ目になります。

例えば、私があるベッドメーカーさんのブースに伺って新商品のベッドをご紹介いただいた時のことです。
そのベッドは通常の背上げ機能だけではなく、頭部のみ別で上げ下げできる機能が付いていました。
私はその機能を、ベッド上で食事をされる方を想定して、正常な嚥下が行いやすい角度を作るためのものだと思いました。

「ベッドでの食事介助がラクになりそうですね」
とメーカーの方にお話しすると、その方は

「そうですね。それに頭部を起こすと介助者様と利用者様が目を合わせてお話ができるんですよ。」
と仰っていました。

たしかに、通常のベッドの背上げでは直角近くまで角度を付けないと顔が前を向きませんし、そこまで背を起こすとお腹が苦しくなってしまうと思います。
『顔が前を向けるようになることで目を合わせて会話ができるようになること』と、『従来のベッドでは実はそれが難しかったこと』、どちらも無意識に諦めていたことなのだと気づかされ、目から鱗が落ちました。

このように、実際に相談しながら体験することで、私たちができなくて当たり前だと思っていること、そもそもできないことに気付いていないことを掬いだして、ニーズとして見える形にしてもらうことができます。

 

③福祉用具がもたらしてくれるもの

展示を見て感じたことの3つ目は、福祉用具というものはケアの質を担保してくれるということです。

というのも、アップライドマガジンでは何度も申し上げていて恐縮ですが、私は半年前まで全く福祉の世界にご縁がありませんでした。
そんな私ですが、例えば適切なアセスメントの上でリフトを手順通りに使用することで、安全に移乗介助を行う事ができます。
ご利用者様を抱え上げるための身体技術がなくても、あるいはそれを補うために2人介助をしてくれる方がいなくても問題ありません。
むしろ、転倒のリスクや引き摺りによる床ずれを予防できるなど、より質の高いケアができるという側面があります。

HCRに数多に展示されていた福祉用具も同じで、入浴や食事、外出といった様々なシーンでそれぞれ、安全で安心なケアを保障してくれます。
自分でも道具を使えばこんなことができるようになるんだ、という感覚は、福祉に関わって日が浅い私だからこそ強く実感できることかもしれないとも思います。

また、このことは実際に日々介護をなさっている皆様にも大きな意味があると思っております。

施設で働かれているケアワーカーの皆様が、経歴や性別や年齢を問わず、同じようにケアができること。
訪問ヘルパーさん方が、入れ替わっても同じケアの質を保って引継ぎできること。

このように、技術や経験に依存することなく、手順に従って道具を使えば誰でも同じケアができるということは、福祉用具を導入することの大きな意義の一つだと改めて感じました。

 

ブースに立って、お客様と一緒に未来を考える

ここまでのお話からひるがえりまして、私がメーカーの展示員としてブースに立ったことで感じたことについてもお話しさせて下さい。

兎にも角にも、展示会を見て回って私が感じたことを、お客様にも感じて頂けるようにすることが大切だと思い、自社ブースに立ちました。
一つには、機器のスペックや最新の製品をただご説明するのではなく、まずお客様お一人お一人の置かれた環境を聞かせて頂くこと。
あるいは、環境に対して弊社の製品がどんなアプローチが可能か、どんな未来を描けるかをお客様とご相談させて頂くこと。
おかげさまで、実際にブースにお越し頂いたお客様と、楽しく前向きなご相談をさせて頂くことができました。

 

このようにHCRでの3日間は、私にたくさんの気づきを与えてくれました。
展示会というと業界の方々の商談の場、というようなイメージを持つ方もおられるかもしれません。
ですが、むしろ福祉用具に普段あまり触れたことのない方こそ、たくさんの気づきが得られる場所だと感じました。
皆様もぜひ、福祉用具に実際に触れられるところにお越しいただき、日々の介護環境をより改善する一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。

弊社もリフトのトライアルを中心に、平素から様々なサービスをご用意して皆様をお待ちしております。
私個人としても、皆様によりよいご提案ができるよう精進してまいりますので、今後ともよろしくお願いいたします!

ソエル
ノーリフティングケア
介護リフト
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福祉用具
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この記事を書いた人
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山田連
2022年3月にアップライドへ入社。新卒者のフレッシュさを武器に日々成長中!
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