×

UPRIDE MAGAZINE
アップライドマガジン

マガジン一覧  /  ノーリフティングケア入門  / 
「お風呂が楽しみになる暮らし」それ、リフトがお手伝いします!
2024.1.19

こんにちは。トランスファーサポートチームの山田です。

今冬はなかなか気温が下がりませんでしたが、年の変わり目を経て、どんどん寒さが感じられるようになってきました。
私はあまりお風呂が好きではないのですが、寒くなってくるとやっぱり湯船に浸かりたいな、と思います。

お風呂につかりたい、というご要望は、お客様からもしばしばお聞きします。
しかし、入浴に何かしらのお悩みを抱えてらっしゃる方は、施設のお客様・在宅のお客様を問わず、たくさんいらっしゃいます。

そこで今回の記事では、リフトをはじめとした機器の活用で、ご利用者様へのどんな入浴サポートができるのかをお話ししたいと思います。

「この方法なら間違いない!」はありません。

リフトを使った入浴は、吊り具の種類やリフトの設置方法によって様々なやり方があります。
ただ、誰でもこのやり方を選んでおけば間違いない、というものはありません。
浴室の環境、ご利用者様の身体の状態やご意向は千差万別です。
大切なのは、ご利用者様が叶えたいことを叶えられる物を選ぶことです。
私たちがリフトのご相談を頂く際、まずお電話や直接のご訪問での現状確認からお話が始まるのもそのためです。

とはいえ、じゃあ具体的にどんなサポートが可能なのか、相談するまで何もわからないのは困る!という方もおられるかもしれません。
ここからはできるだけリフトによる入浴のイメージができるように、実際にリフトで何ができるのか、お話ができればと思います。

リフト+αの組み合わせで、その方に合った入浴を実現

例えばですが、ご利用者様のADLの低下で浴槽を跨ぐことができなくなってきたり、介助者様の身体の負担で浴槽への移乗がしんどくなってきたり。
理由はさまざまですが、浴槽への移乗が困難になってしまった状況で、移乗方法をリフトにすることで湯船に浸かれるようになることがあります。

移乗方法をリフトにすると一口に言っても、そのディティールは様々です。
身体を洗うためのシャワーチェアまではつかまり立ちで移動でき、そこから浴槽への移乗をリフトでする方もいらっしゃいます。
あるいは、洗体用の寝台までは移乗用ボードで移り、そこからリフトで浴槽に移るようなケースもあります。
他にも、座面が外れてそのままリフトに吊ることができるシャワーキャリーを使い、身体を洗ったらそのままリフトで浴槽に入る、なんてこともできます。

どんな機器をリフトに組み合わせるか、そのバリエーションは非常に多彩なのです。


座って体を洗ったあとに座面を台座から外してそのままリフトで浴槽に入れるシャワーキャリー。

また、在宅で訪問入浴を利用されている方でも、同じように移乗方法をリフトにすことで、安全に負担なく入浴することができます。

加えて、それらの介助の流れの邪魔にならないよう、リフト自体の設置の仕方についても工夫が必要な場合があります。
リフトの柱がシャワーキャリーの動線の邪魔にならないように、手すりや呼び出しボタンを塞がないように、浴室の入り口のドアや換気扇のフタがきちんと開くように……等々です。
ご利用者様はもちろん、介助者様の動きにもストレスがないように、ひいてはリフトのご利用者様以外の方が入浴する際にも邪魔にならないように、というところまで考え、設置のプランを練っていきます。

このように、例を挙げればキリがありませんが、数ある選択肢の中からお客様の願いを叶えられるものを選び取ることになります。
そのため冒頭でもお伝えしたように、事前のご相談と、お客様の叶えたいことが大切なんです!

移乗用具ではなく、生活用具としてのリフト

移乗をサポートしてくれる機器としてのリフトが、介助者様の身体の負担を軽減してくれることはイメージしやすいかと思います。
が、リフトで入浴をサポートすることで、他にもいいことがたくさん起きるかもしれません。

まずはやはり、介助者様だけでなくご利用者様にとっても、人力による移乗と比べて安全で負担が少ない移乗が実現できることでしょうか。
身体にかかる圧が分散され、転倒のリスクも低い状態で、安全に入浴することができます。

また、移乗中にご利用者様の会話ができる余裕が生まれる、というお話も伺います。
人力の移乗と比べて、ご利用者様の表情や身体の様子を目で見ながら、丁寧なケアが可能になります。

さらには、大浴場にリフトを導入した施設様では、リフトで幅広いADLのご利用者様が大浴場に入れるようになり、ご利用者様同士の交友関係が深まった、ということもあったそうです。

ある日、弊社の山下のとあるお客様が、
「リフトは移乗用具ではなく生活の道具なんだ、と思った。」
と仰っていました。
まさにリフトを使ったケアの可能性を表したお言葉だと感じます。
つまるところこのお言葉は、リフトをはじめとした機器によるケアが、移乗シーンそのものだけではなく、ご利用者様の生活全体を前向きに変えていく力があることを示唆して下さっていると思います。

アップライドの入浴サポート、いかがでしたでしょうか。
入浴の環境はどうしても個別性が高いため、実際に現場でご提案するまで具体的なイメージを持っていただきづらいものです。
だからこそ、「福祉用具の仕立て屋」という弊社の強みを感じていただける部分だとも思っております。
些細なことでも是非、ご相談いただけますと幸いです。

おわりに

弊社の公式LINEアカウントでは、アップライドマガジンの更新をはじめ、さまざまな情報を随時発信中です。
ぜひこちらのボタンから友だち登録してみてください!

友だち追加

関連タグ
ノーリフティングケア
介護リフト
介護用品
福祉用具
移乗・移動
この記事を書いた人 山田連
アバター画像
2022年3月にアップライドへ入社。新卒者のフレッシュさを武器に日々成長中!
Social Share Buttons and Icons powered by Ultimatelysocial