みなさん、こんにちは!アップライド福祉用具営業担当佐藤です。今回私が紹介する福祉用具は段差解消機「もちあげくん」です。みなさん段差解消機って、お家に置ける?どういう時使う?と思うかもしれませんが実はとても取り扱いしやすい、便利な用具なのです。
今回は私の事例を参考にお話できればと思います。
コンパクトな電動式で、予備リモコン付きだから安心
「もちあげくん」は、高さが70cmまで上がり、サイズは幅82cm長さ151,5cmです。
段差解消機もたくさん種類があり、1mを超える高さまで上がるものや、長さが長かったり、幅が大きかったりがっしりしたものもありますが、今回ご紹介するもちあげくんは見た目もシンプルで、幅もそこまで取らない、おススメの用具となります。
電動式で、リモコンで操作するのですが、リモコンを無くしてしまったとしても慌てる必要はありません。段差解消機と一緒に設置する、電気の配線や、モーターなどを入れている箱があるのですが、その箱の中に緊急用のリモコンが入っているのでそれで、操作できます。そして、もし万が一、災害等で電気が使えない時にも、降下させるだけの緊急降下スイッチもついているので安心してお使いいただけると思います。
車いすでも「もう一度自宅に帰りたい」が叶う
どういうところで使えばいいかわからないよ。という方にもわかりやすく、私が実際に対応させていただいている、御利用者様の事例をご紹介させていただきます。
新宿区にお住いの、95歳女性の方です。
元々、膝関節の関節症があった方なのですが、今年の4月に自宅の近くにて転倒して、左股関節を骨折してしまい、約3ヶ月間入院されていました。退院に伴い、病院のリハビリのスタッフの方と、ケアマネージャー、福祉用具相談員(自分)で家屋調査をさせていただきました。入院生活により、下肢筋力の低下と、膝関節の痛みがあり玄関の登りが出来なく、お部屋の中に入ることが困難でした。
ご自宅の玄関の写真がこちらです。
玄関の上がり框に段差があり、さらに奥にはお部屋に入るドアにも段差があります。横に手摺はついているのですが、膝に痛みがありうまく上ることが出来ません。レンタルできる据え置き型の手すりを試してみたのですが、うまく使えずやむを得ず自宅内の家屋調査は中断し、家の外で話し合いをしました。
息子様も、前までは上り下り出来た段差が今は登れないことに驚いている様子でした。筋力の低下もあり、自宅内は車椅子の方がいいというご意見がありながら、自宅の出入りは段差があり、そもそも入れない現状を踏まえた話し合いの中で、自宅に帰らず、施設に入所する方がいいのかというお話も出ました。しかし、リハビリの先生、ケアマネージャー、私で話し合いをした結果、お家の外に勝手口のようなもう一つの出入り口があり、そこに段差解消機を置いて、上り下りが出来れば、家の中で車いすで生活ができるという話になりました。
幸運なことに、こちらのお住まいには寝室から直接抜けられるような作りの裏口があり、そこの出入り口から地面までは50㎝、そこで段差解消機、もちあげくんの出番です。
70㎝まで昇降できるもちあげくんを設置することにより、車いすのまま出入りできるようになりました。
設置の写真はこちらです。
このような形で設置させていただき、無事に自宅に退院する事が出来ました。
最後に息子様が、操作されている様子をご覧ください。
安全に操作していただき、今は段差解消機を使ってデイサービスにも通われています。コロナが落ち着いたら近所を散歩したいと話されていました。
一度は、「自宅に帰れないかもしれない、もしかしたら施設に入所しないといけないかもしれない」という思いで、息子様はたくさん悩まれたと思います。
ですが、専門職との連携により、息子様とご本人の、「もう一度家に帰りたい、もう一度一緒に暮らしたい」という思いを叶えることができたかなと思います。
自分の家には置けないよ、置く場所がないよという方、諦めたり、決めつける前に、一度ご相談いただければと思います。