×

UPRIDE MAGAZINE
アップライドマガジン

マガジン一覧  /  社長コラム  / 
~ 2025年問題と介護保険制度改正、アップライド流解説 ~
2023.1.23

皆さま、こんにちは!
代表の宇吹博志です。
今回のコラムは、弊社のお客様や弊社自身にとって重要な「介護保険制度の改正」について、介護機器や福祉用具の販売・レンタルを行っている弊社の目線で書いてみたいと思います。

〇 「2025年問題」は入口に過ぎない

さて、皆さま、「2025年問題」をご存知でしょうか。
やや時代を遡ること1990年台後半、世界ではコンピューターが西暦2000年になることを認識できずに2000年になると誤作動を起こし、社会インフラが大混乱すると騒がれたことがありました。この「2000年問題」の結果は、事前の危機管理が功を奏したのでしょうか、世の中でいわれていたほどの混乱は起きずに終わりました。

一方、「2025年問題」は1947~1949年の第一次ベビーブームに誕生された「団塊の世代」の方々が75歳を迎え、超高齢社会に突入することを指しています。
「2000年問題」のように瞬間に起きることではなく、我が国では、2025年「以降」、さらに超高齢社会になり、様々な問題が継続するであろうといわれています。
その一つに、医療・介護分野での課題があり、これまでの制度改正の際には「2025年問題」の課題を見出し、解決していこうと多くの議論がなされてきています。
そして、2024年4月には2025年前の最後の医療保険・介護保険のダブル改正が実施されます。
ちなみに、国では、医療保険・介護保険等の制度変更は「改正」、報酬(単価)変更は「改定」と呼んでいます。

〇 限られたリソースで質の高い介護を提供するために

この「2025年問題」を目の前にして、「介護」において、ここ数年さかんにいわれていることに「介護現場の生産性向上」と「働きやすい職場環境づくり」があります。

「生産性向上」と聞くと、介護現場にいらっしゃる方は違和感を持たれることもあるかと思います。「生産性向上」は一般企業の製造過程でよく使われ、業務のやり方を工夫することで、現在の業務から「ムリ」「ムダ」「ムラ」をなくし、業務をより安全に、正確に、効率的に行い、負担を軽くすることが目的といわれています。

厚生労働省は、「介護サービスにおける生産性向上」は、要介護者の増加やニーズがより多様化していく中で、業務を見直し、限られた資源(人材など)を用いて一人でも多くの利用者に質の高いケアを届ける、改善で生まれた時間を有効活用して、利用者に向き合う時間を増やしたり、自分たちで質をどう高めるか考えていくこと、介護の価値を高めることと説明しています。そして、「介護サービス事業における生産向上に資するガイドライン」を発行しています。

この「介護現場の生産性向上」と「働きやすい職場環境」の実施策のひとつとして、介護保険改正を審議する「社会保障審議会介護保険部会」では「介護ロボット・ICT等の活用」を、さらに全世代型社会保障改革担当大臣の下で開催している「全世代型社会保障構築会議」においては「福祉用具、在宅介護におけるテクノロジーの導入・活用促進」が推進策の一つとして報告書に明記されています。

〇 モノやシステムの導入以上に重要な私たちの役割

ここから先は、私の私見となりますが、国の方向性としては上述のように、介護ロボット・ICT等、福祉用具の導入・活用促進が図れる施策をさらに構築してくると思われますが、このような機器・用具、ICT等の導入には、モノやシステムの供給を行う私たちのような民間企業が関わらずを得ません。

先に記載しました「介護サービス事業における生産向上に資するガイドライン」では、改善活動の手順とポイントとして、Plan(計画)→Do(実行)→Check(評価)→Action(修正)のPDCAサイクルを何度も繰り返すことが重要と記載されています。
これは、介護施設等が理解し実行すればよいものではなく、モノやシステムの供給を担っている私たち民間企業も理解していなければならないものではないでしょうか。
単に介護報酬上の加算の要件であるから等の理由で対象品を勧めるのではなく、顧客である介護施設等が行うPDCAサイクルを理解し、時には、民間企業ならではの視点で、データを活用してPlanやCheckを数値で示すことも必要でしょう。また、対象の機器やシステムが円滑に、計画通りに使用できるよう活用方法の共有も求められるでしょう。

弊社アップライドにおきましても、ブランドコンセプト「未来につながるケアと暮らしをお仕立て」に恥じないよう、一人一件の顧客が実践するPDCAを理解し、現場でPDCAが確立できるような活動をしていきたいと思っています。
介護施設や在宅介護を担っている、あるいは当事者の皆さまに用意した機器や用具を単に届けるのではなく、課題や計画を理解したうえで機器や用具を導入し、さらにその結果の評価もご支援できるような企業になっていきたいと考えています。

〇 コラムの結びは、恒例にしている趣味話しで

さて、私の社長コラムの最後には、いつも趣味のサックスのことで締めています。毎度のことで恐縮ですが、最近の出来事を紹介させていただきます。
私はサックスを音楽教室で習っています。その音楽教室ではクラスで一曲を徹底的に仕上げ発表する催しを行っています。昨年11月23日に、コロナ禍の影響があり約3年半ぶりに開かれ、エリック・クラプトンの名曲「Change the World」をサックス用にアレンジしたものを演奏しました。
エリック・クラプトンとともに世界の三大ギタリストの一人といわれていたジェフ・ベックがこの原稿を書く直前に亡くなってしまい、高校生時代はギター小僧であった私はとても残念でした。ファンであった一人として彼の曲を思い出し偲びたいと思います。

関連タグ
ノーリフティングケア
介護保険制度
この記事を書いた人 宇吹博志
アバター画像
2019 年3 月に医療介護ベッドのメーカーを退職し、同年4 月に当社の代表取締役となる。前職中から新規事業の立ち上げの縁が多く、Cool and Soul、冷静に事業計画を作りつつ、一方では熱き思いをもつことがモットー。「50 の手習い」で始めたアルトサックスの演奏が上達せず、悩みの種。
Social Share Buttons and Icons powered by Ultimatelysocial