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「もう一度外出がしたい」、ターミナル期のその希望を多職種連携で考えて。
2022.7.27

みなさん、こんにちは!アップライド福祉用具専門相談員佐藤です。
今回私が紹介する福祉用具は当社で扱っているリフトです。
みなさんは移動用リフトと聞くと大きくて、部屋の中に入るのか、見たことはあるけど使いこなせるのか、などいろいろな疑問や問題が出て来ると思います。
またリフトのような大掛かりな機械は、高齢者介護施設や障がい者福祉施設専用のものだとお思いの方も多いかもしれません。
しかし、ご自宅で短い期間だけリフトを一時利用したい(しかも工事不要で)というご要望にお応えすることも、実は可能なのです。
ということで今回は私の体験をした事例を参考にお話できればと思います。

外出実行まで、わずかな準備期間でみんなの力を合わせて

昨年12月に私が対応させていただいたリフトご利用のご依頼主は、新宿区にお住いの心不全末期の30代後半女性とそのご家族です。
訪問リハビリのスタッフを通じて最初のご相談があったのは10月ごろ、外出に必要な車いすの選定についてでした。
ご本人、お母さま曰く、外出をして一緒にかき氷を食べに行きたいとの事でした。そこで大柄な体に合わせた車いすの選定をさせていただき、座位姿勢の確認、乗り心地などを確認させていただきました。
その後少し時間をおいて、11月の末に再度問い合わせがありました。お話を聞くと、様態があまりよくなくて、外出をするなら12月の頭がラストチャンスになるかもしれない、ついては準備期間はあまりなく、1~2週間程度で打合せをして外出をさせてあげたいとの事でした
ご本人が大柄なため、移乗の方法はもちろん、移乗後の移動の方法についても考えて決めなくてはなりません。
最初は布担架を使って、ご本人のベッドがある2階から1階に下ろす案が出ましたが、ご本人の体の負担を考えると厳しく、ヘルパー3名での人力移乗にはリスクも伴います。
そこで、リフトの提案をさせていただきました。

工事不要な据置型リフトの一時レンタルという解決策

弊社がご紹介したリフトは、ライズアトラスのアトラスラインです。
海外製(スウェーデン)のリフトで、日本製のリフトでは中々ない耐荷重205キロが特長で、今回のご依頼主様の体格にも安心でした。一番のメリットは、建物への固定が不要な据置型である点。リフト全体のサイズは幅約4メートル、高さ約2.3メートルを最大基準とし、それ以下であれば自由に加工できるので、お部屋のサイズや用途に合った物を納品でき、不要になったあとの撤去も簡単です。
もちろん居室だけではなくて、トイレや浴室にも使えて多様なシーンでご利用いただけます。
リモコンもコンパクトなサイズで、ボタンのシンプルに【上がる】【下がる】の操作のみで大丈夫なので、簡単に操作していただけると思います。
今回のケースでは、このアトラスラインを短期レンタルでご利用いただくことになりました(レンタルは1日から可能です)。
私がご提案したのは、2階寝室にリフトを設置し、体位変換用の大きいスリングシートを使い、ベッドからの移乗を介助するという方法です。
寝室~階段~1階への移動は民間救急を手配していただき、3名の隊員で車いす型ストレッチャーを使う事になりました。前もっての練習はご本人の体の負担を考え行わなかったため、関係者一同、無事の成功を祈りながら当日を迎えました。
当日はリハビリ、医師、看護師、ヘルパー、民間救急、私の10名を超える多職種が連携しての対応になりました。

リフトへの移乗は6名体制で対応し慎重に行い、無事成功。
そこからストレッチャーに移乗し救急隊員3名が階段から1階に下ろします。
1階に着くまでの時間はわずか10分。スピードの速さに驚きました。
そこから最初にお話した外出用車いすに6~7名で介助して移乗。しばらく玄関先で、お母さまと過ごされました。

ご本人がかき氷が食べたいと話されていましたが、12月であまり遠くへは行けないため、外でラーメンを少しとアイスを一口召し上がってお母さまとお話されていました。
1時間ほど過ごされた後、2階のお部屋に戻られました。

お母さまより、「最初はリフトって大きいしこれで本当に持ち上がるのか、これで外出できるようになるのか疑問でしたが、実際使ってみて皆様のお力とリフトのおかげで娘を外出させることが出来ました。ありがとうございます。」と言われ、成功した実感が湧いてきました。
今回のようなケースは、公的給付の適用外となるため、ご利用者様には自費で短期レンタルをしていただくことになりました。
レンタルでなく販売であれば、障がい者向けの公的給付保険を利用いただけるのですが、認可されるまでには時間がかかることや、条件次第では認められない場合もあります。今回はそれでは間に合わない可能性があったため、ご家族は自費でのご利用を選ばれましたが、結果的にご満足いただけたことは私にとっても何よりの喜びでした。

今回関わらせていただいた職種の方々と、当日までお会いすることがなく、予行演習なしで当日に成功できたのは皆様のプロとしてのお力と、外出させて差し上げたいという思いがこの結果に繋がったと思います。
その各専門分野の皆様の中で福祉用具が力になれたこと、アップライドとして関われたこと、とてもうれしく思います。たとえターミナル期であっても、残されたわずかな日々がご本人らしく尊厳に満ちたものとなるために、福祉用具にできることがたくさんある、と実感しました。
今回お伝えしたように、リフトは施設だけのものではなく、また必ずしもご自宅を改修しなければ使えないものでもありません。
「こんなこと、可能かな?」とお思いのことがありましたら、ぜひ弊社までご相談ください。

リフトだけでなく、スリングシートなど周辺用品も含めてトータルなご提案で、ご利用者様の願いに寄り添ってまいります。

 

 

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この記事を書いた人 佐藤光央
元老人保健施設介護職員 有料老人ホーム相談員として勤務 有料老人ホームに勤務中、施設に来ていた福祉用具相談員の方と話をしてこの仕事をしり、日々用具の事を学びながら、お客様と相談しながら適した用具を仕立てられるように頑張ります。
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