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「リフトに頼る」VS「残存能力を活かす」お風呂を巡る、ある選択
2022.8.02

こんにちは!

ライフサポートチームの髙木です。

いや~、暑い日が続きますね~!

仕事が終わって帰ったら汗でベタベタな毎日、お風呂でさっぱりしたくなりますね~!

今日は、そんなお風呂のお話です。

 

唐突ですが、みなさんはお風呂・・・どうやって入ってます??

「・・・・・・え?」ってなりますよね (^^;

 

ちょっと試しに普段お風呂に入っている時の動作を、細かく分けて描写してみてください。

どうやって衣服を脱いで、どうやってドアを開けて、どうやって浴室に入って、

どうやって身体を洗って、どうやって立って、どうやって……

「おいおい!そんな当たり前のこと考えたことないよ!!」って思っちゃいますよね?

それが当然だと思います。

私たちは元気な時には、細かな動作を流れるように無意識に当たり前のように行っているんです。

でも、ちょっとした病気やケガなどの要因で、

そんな「当たり前が、当たり前ではなくなってしまう」ことがある・・。

そんな時こそ私たち「ふくせん(福祉用具専門相談員)」の出番です。

ご利用者様の身体状況や住環境を観察し、

ご本人の動きが及ばないところをカバーできるよう用具をコーディネート。

そんな時にポイントとなるのが、「ご本人の残存能力の活かし方」です。

 

「家でお風呂に入りたい」でも日常生活動作は低下…どうする?

 

今回のご利用者様は、70代の男性で脳梗塞の後遺症により右半身にマヒがある方です。

お家が大好きで、お風呂もお家で入り続けたいっ!!と強く希望されています。

今までは、ヘルパーが2名付いて、なんとか自宅でお風呂に入ってきました。

ただ一時的な体調不良があり、日常的に動くことが少なくなってしまったことで、

体調が回復した時に、今度は両足の力が少し落ちてしまったようです。両足の力が落ちることで、

「足が上がらず浴槽の縁を跨げない」「浴槽の中で座ったら立ち上がることができない」

こんな2つの課題が出てきた感じでしょうか。

 

「どんなお風呂かな?」ふくせんの目線で検証!

 

まずは、今回も浴室環境の現状確認から!

〇 脱衣場・浴室入口の環境です

ん~・・浴室に入る前に段差があるため、跨ぐのがちょっと大変そうかな?

〇 浴槽を上から撮影

ちょっと深めの浴槽、浴槽の丈はやや短めコンパクトなタイプ。

周りにつかまるところがないのは気になります。

 

「安全重視でリフトに頼る」VS「残存能力を生かす」という2つの方向性

 

今回は、大きく分けて2つの方向性で考えてみます。

「①安全重視」「②自力をできるだけ活かす」この2つです。

 

最初に「安全重視」の方法ですが、「バスリフト」をチョイスしてみました。

リフトと聞くと、ちょっと大型なイメージがありますが、

この「バスリフト」は浴槽の縁に引っかけるタイプのリフトの中ではコンパクトなものです。

 

基本的な流れとしては、洗い場側から写真の〇の部分に背を向けて座ってもらい、

座ったまま足を上げ方向転換し浴槽内に足を下ろします。

中心のピンクの座面にお尻の位置を合わせたら、リモコンのボタンを押すと、

座面部分が浴槽の底まで下がってゆき、身体がお湯に浸かるという形となります。

浴槽から出る時は入るときの逆の流れとなります。

 

「バスリフト」の大きな特徴としては、浴槽を跨ぐ動作を座って行うため、

立ってまたぐことと比較すると、転倒のリスクが低いことです。

また、座ったまま座面が電動で上がり下がりすることで、お湯の入った浴槽内で立ち損ね、

座り損ねて転倒してしまうリスクを軽くすることも同時に行うことができます。

 

次に、「自力をできるだけ活かす」方法です。

こちらは、ご本人の動きを支えてくれる住宅改修による手すり取付をチョイスしました。

まず、浴室入口の段差をまたぎやすくするため、つかまるところを作ります。

この部分のポイントですが、普通の縦手すりを取付すると、浴室に入るときにつかまる手すりが視界に入らず、

つかみにくいものとなってしまうため、真っすぐではなく、湾曲したタイプの手すりを検討しています。

また、浴室内に入った後は同じ手すりを使い立ってまたぐため、2つの動作が無理なく行える位置を探りました。

浴槽に足が着地した後は、バランスが取りやすいよう、浴槽奥の壁に横手すりを配置します。

 

最後に、浴槽から出る際は、やや洗い場側に寄せた横手すりを配置しました。

この部分は、当初身体を浴槽から引っぱり上げる縦手すりを考えていましたが、

身体を壁に預け沿わせて出る形に慣れているため、身体が引っ掛かってしまう縦手すりではなく、

横手すりだけに作戦変更しました。

 

介護保険を利用しての住宅改修については、地域差はありますが、事前に申請を行い、

介護保険での工事許可の通知が届くまで数日から2週間程度かかる場合があります。

ご相談を頂いてから、介護保険での工事を行うまでの全体の流れとして1カ月弱かかるケースも多く、

その間困ってしまう方が多いのも実情です。

そのため、工事の許可が下りるまでの間にバスリフトを導入し座って入る方法、

工事前に目印で貼った手すり取付予定位置を目安に立って入る方法のシミュレーションを行ってもらい、

お家でのお風呂の入り方の方向性の見定める期間にあて様子を見ることにしました。

 

「結果はどっち?」

 

最終的に今回は両足の力が少しずつ戻ってきたことが大きな理由となり、

「自力をできるだけ活かす」手すりをチョイスすることになりました。

元気になったなら、それが1番!!

後日ご様子をお聞きしたところ、「安全重視」の「バスリフト」の出番は、

きっとまだまだ先になりそうな元気ぶりで、お家のお風呂に入っていらっしゃるそうです!!

「あとがき」

 

私たちの生活環境は多種多様で、きっと全く同じ環境なんて無いんだろうなぁ・・と思います。

そして、その環境に合わせて私たちの身体は無意識に順応しています。

でも、もし今ある環境に身体が順応してくれない場面に遭遇してしまったら、逆に環境を順応させることも必要です。

「もの」を通して、そんなギャップを埋めるお手伝いができたら嬉しいなぁ・・。

 

それじゃあ今回はここまで!

したらね~ (^o^)丿

 

 

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この記事を書いた人 高木仁志
外食産業に15年従事し、東日本大震災を機に困っている方のお手伝いがしたいと一念発起。福祉業界に足を踏み入れる。プライベートでは、小学生と0歳児の長次男に振り回される、ラーメンが好きなおっさん。
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