みなさん、こんにちは!アップライド福祉用具専門相談員の佐藤です。
今回私が紹介するのは、以前書かせていただいた進学に伴う電動車椅子購入の方のその後についてです。無事に納品が終わり、進学後の生活がどうなっているのか書かせていただきます。
前回の記事はこちらになります。→夢への第一歩に!これから始まる新生活と新しい電動車いす[前篇]
納品までの苦労
結論からお話すると、残念ながら入学までに納品が間に合いませんでした。
理由は2つあります。
1つ目は役所への申請段階で、何度も確認事項の連絡をする必要があったからです。今回の電動車椅子は、普通の物に比べてスペックも機能も多くついていたため、購入にあたり細かい部品、機能の確認が必要でした。
今回の車椅子購入は判定会ではなく医師の意見書によって審査の為、書類でのやり取りがメインになって時間がかかってしまったのです。
2つ目は海外製の車椅子の為、納期が2~3か月かかり申請が通った段階で4月の入学式に間に合いませんでした。
納品後、学内外の生活を主体的に満喫される姿にふれて
5月の中旬、車椅子が届き納品させていただきました。
最初はクッション等調整した上で、何日か乗っていただき何度か調整を繰り返し1か月後の6月には問題なく通学できるようになりました。
もちろん最初の段階でもできる限りの調整を行うわけですが、観察できるのは30分〜1時間程度と限られた時間になるため実際に通学で使っていただくと、使用感がわかりさらに調整が必要な個所が見えてきます。
学校生活では朝から夕方まで授業がある為、できる限りお身体に負担が来ないように調整させていただきました。ご本人にお話を聞くと、学校では一日中ヘルパーさんが付きっきりというわけではないので、ある程度自分で姿勢を直せないと体に負担が来るとの事でした。ですが、今回の車椅子は電動でティルトリクライニング機能を操作できるため授業中でも姿勢が直せて快適との事でした。また、通学ルートも道路に段差や坂道がある為、以前の普通型の電動車椅子では少し危ないと感じていたらしくその点も安心して乗れているとの事でした。学校外でも活動をされている方なので、同じ病気を持った患者会の皆さんとも交流があり、電動車椅子の話題が良く上がるようでご自身の経験や使用感をお話しているとの事でした。
電動車椅子を使うということはただ、移動手段としてではなくその方の社会参加にとても役に立つということを改めて感じました。学校だけではなく、仕事や趣味、友人との交流の様々な場面でひとりでも多くの方が身体にあった車椅子を使いより主体的かつアクティブに過ごせる様なお手伝いができれば嬉しいです。普通型電動車椅子は確かにコンパクトで、試乗もしやすく値段も今回の車椅子に比べれば高くありませんが、シンプルがゆえに弊害があることもあります。
選定は大変ですが、自分の今後の生活やこれからの目標を意識して車椅子を選ぶことが大切だと思います。