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夢への第一歩に!これから始まる新生活と新しい電動車いす[前篇]
2024.4.23

みなさん、こんにちは!
アップライド福祉用具専門相談員佐藤です。私が紹介する福祉用具は電動車いす、それもティルトリクライニング(背もたれだけでなく座面も一体で角度を変えられる)が電動で操作できる商品になります。今回は2回に分けてお伝えできればと思います。

これから始まるキャンパスライフを見据えて。

今回のご利用者様はこの春大学に進学する10代の男性です。現在は以前購入された電動車いすを使用されていて、大学進学にあたり買い換えたいとのご相談でした。高校生活は担任の先生やクラスメイトのサポートもあり、学校生活が送れていましたが新しい生活に代わる為、今ある機能以上を搭載した電動車いすで学校に通いたいとのご家族、ご本人からの相談でした。

新しい車いす、座位保持装置との出会い。

訪問リハビリの先生と、ご家族、ご本人、4者で打ち合わせをした結果、ご本人が難病の「ウルリヒ型先天性筋ジストロフィーという小児慢性指定疾病(指定難病29)」という病気のため、「生下時又は乳児早期から、顔面筋を含む全般性の筋力低下と筋萎縮を来す。手関節・足関節などの遠位関節の過伸展がみられることと、肘関節・肩関節・膝関節・股関節などの近位関節の拘縮を来すとともに脊柱の後側弯を来すことが特徴である。筋生検痕がケロイド化しやすく皮膚にも何らかの異常があるものと考えられている。典型例では10歳までに歩行不能となる。全く歩行しない例もある。一方で、20歳を過ぎても歩行可能な軽症例も存在する。呼吸筋が侵されやすく、早期に呼吸管理が必要となる例もある」つまり身体の変形があり長時間の座位姿勢が難しいことがポイントに上がりました。
学校では座学が多いため、長時間座位を取っていると体が疲れてしまい座位が安定しなくなるため、しっかりと身体を支えることができる座位保持装置が必要だという結論になりました。しかしクッション等を加工して作るタイプでは補助が弱く支えにならず、いくつか試してみましたが支えたい部分を支えられる物が見つかりませんでした。リハビリの先生といろいろなメーカーを調べた結果、とあるメーカーのパットが3D機構になっていていろいろな角度から支持できる物が見つかりました。そのパットに合わせて電動車いすも選定し試乗していただくと、リハビリの先生からも「これならいけるだろう。」とお答えをいただき、購入する電動車いすが決まりました。試乗では操作性も良く、今まで出来なかったティルトリクライニングも人の手を借りず操作できる事により長時間の座位を保つことができす。自立度を手に入れての大学生活への1歩を歩みだした瞬間でした。新しい環境でヘルパーさん、ご家族の介助が必要なしで、どうしても1人で授業を受けたり移動したりしないといけない時間があります。ご本人が少しでも安全に学校生活が送れるように精一杯サポートが出来ればと思います。

次回はこの方が大学生活を電動車椅子でスタートした様子を書ければと思います。

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この記事を書いた人 佐藤光央
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元老人保健施設介護職員 有料老人ホーム相談員として勤務 有料老人ホームに勤務中、施設に来ていた福祉用具相談員の方と話をしてこの仕事をしり、日々用具の事を学びながら、お客様と相談しながら適した用具を仕立てられるように頑張ります。
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