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福祉用具でどんなことを叶えたいですか?

皆さんこんにちは!
ライフサポートチーム髙木です。
突然ですが皆さん「今、欲しいもの」ってありますか?私はいろいろ思い浮かんでしまうのですが、今は「ガステーブル」「書斎(自分だけのスペース)」が欲しいですっ!まず「ガステーブル」は、現在のものが年季が入っているからということもありますが、掃除がしにくいのです。また、自宅で中華料理を作ることが多いのですが、火力が弱いのも気になっています。掃除がしやすくて、火力が強くできるものがあれば、今よりもっと作ることができる料理が増えるかも!と思ったりしています。そして「書斎」・・・・・。あ~こりゃ無理だわぁ・・・。と思いつつ、好きなことに没頭したり、落ち着いて物事を考える自分だけのスペースがあったら、もっと日常生活や仕事への意欲を高めることができるのでは?などと夢見ています。ここまで、私の願望をつらつらと書いてきてしまいましたが、お伝えしたかったのは「欲しいもの」には、きっと何かしらの「叶えたい」ことが根っこにあるのだということです。それは「福祉用具」の世界でも同じようなことが言えるんです。今日は、そんなお話です。

日常の生活の中で・・・・・

私たちは、生まれてから大なり小なり、やりたいことがあって、全てではありませんが、それを叶えながら生活をしています。例えば・・・「あ~今日も仕事疲れたなぁ・・。お風呂入って寝よ」「今日天気良さそうだし、どこかに出かけようか?」こんな日常にありそうなことも「やりたい」を「叶える」だと思います。もっと突き詰めてゆくと・・・・・「お腹空いたから、ごはん食べよっと」「ちょっとトイレ行ってこよっと」こんなことも「やりたい」を「叶える」に入ってくるのではないでしょうか?もしかしたら、読んでくださっている皆様は、「いやいや、こんなことできて当たり前でしょ?やりたいことを叶えるというのは大げさじゃない?」って思う方もいるかもしれません。しかし、私たち福祉用具専門相談員が関わらせて頂いている方々は、「お風呂に入りたい」「旅行に行きたい」「ごはんが食べたい」「トイレに行きたい」を叶えるために真剣に向き合っているのです。

私自身も、年を重ねた割には、まだ小さな子供もいるので、いつまでも健康でいられたら・・・とは考えていますが、いつ病気やケガといったアクシデントに見舞われるかは本当にわからないものです。ただ、万が一、人生の中でアクシデントに見舞われ、ちょっとだけつまずいてしまったとしても、日本には「介護保険」や「障害福祉」の制度があり、もう一度日常生活にカムバックするためにサポートを受けることができます。私たち福祉用具専門相談員は、そのサポートを行うための一員なのです。

介護保険制度における「福祉用具専門相談員」の仕事とは

私たち福祉用具専門相談員が福祉用具を提供する上で密接に関わることの多い分野として、「介護保険」「障害福祉」があります。

私たち福祉用具専門相談員の「介護保険」上の主な仕事は、
・利用される方と福祉用具で解決できることを一緒に考え、福祉用具選定のアドバイスを行う。
・利用される方との相談を踏まえた福祉用具利用計画の作成を行う。
・利用される方の障害や要介護の程度、また住宅の構造や環境に合わせた福祉用具の適合・調整、取扱説明を行うことなどがあります。

「障害福祉」の分野では、年齢が比較的若い方も多く、より活動的な社会生活をイメージして臨みますが、利用される方と相談しながら、身体や環境に合わせた福祉用具を提供するという、福祉用具専門相談員としての基本的なスタンスは大きくは変わりは無いと考えています。

初期対応にこそ福祉用具専門相談員の真価が問われる

私たち福祉用具専門相談員は、特別な理由がある場合を除いて、比較的訪問の頻度が少ない職種と言えます。
ただし、ご退院に際してのご相談や初めてご相談を頂く場合は、適切な福祉用具の提供を行うために、内容の濃いアセスメントとモニタリングを繰り返し行う必要があります。
選定した福祉用具を提供し、生活が軌道にのってくると、導入時に考えたプランから変化が無いかどうか確認してゆく流れとなることが多いため、導入初期段階の月1回や週1回・2回というようなペースと比較すると訪問回数は落ち着いてきます。

つまり私たちに求められているのは、福祉用具の提供を検討する初期段階での動きをどれだけ迅速に濃密に行い、福祉用具を活用する舞台を事前に作り上げておけるかだと思います。
そういったこともあって、福祉用具を利用される方が日常生活に戻っている際には、福祉用具専門相談員の仕事は大方終わっている場合も多く、他サービスの方々と頻繁にお会いする機会が少ないため、あまり目立たない存在なのかも知れません。
ただ、私たち福祉用具専門相談員は、福祉用具を利用する方ができるだけ日常生活をスタートできるように常に縁の下の力持ちでいたいと考えています。

どんなことを叶えたいですか?

そんな舞台を作り上げるために欠かせない問いが「どんなことを叶えたいですか?」です。
これは、私が関わる利用者様に比較的最初の時期にお聞きしていることです。元々は先輩の真似から始めたことだったのですが、この質問から話が広がったり、その方の人生が見えてくることが多くて、今でも私の福祉用具の選定に大きく関わってきます。「おうちに帰ったら、何がしたいですか?」「今1番したいことは何ですか?」というような聞き方の場合もあります。病院のベッドでまったく起き上がることができない状態で「旅行に行きたい」と話されてもかまいません。自分が関わる限りは、「旅行に行きたい」を目標に全力で臨みたいと思います。旅行に行くには、ある程度の時間、車や電車や飛行機に乗るかもしれません。車や電車や飛行機に乗るには、その時間を座って過ごす必要があります。座って過ごすためには、ベッドから離れ、安心して座る環境を作る必要があります。順序を追って進めるので、少し時間はかかるかもしれません、途中で大変なこともあるかもしれませんが、叶えたいことが変わらない限りは、きっとできると信じて一緒に叶えたいと思います。

介護保険24年目 福祉用具専門相談員に求められること

2000年に介護保険制度が開始となってから、24年が経過し、成熟期と言われる領域に入ってきたように思います。今回の介護報酬改定の福祉用具の分野では、「貸与(レンタル)と販売の選択制の導入」「モニタリング実施時期の明確化」「モニタリング結果の記録、ケアマネジャーへの記録交付」が大枠で決定しました。細かな部分については今後随時決定されてゆきますが、このことにより、とにかく必要なモノを早く持って行くというサービスから、介護保険制度の追い求める「自立支援」をより進めるための福祉用具提供という内容が問われてゆく形になってゆくのではないかと考えています。そのためには、「どんなことを叶えたいですか?」がとても重要なキーワードになるのではないかと強く感じています。

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この記事を書いた人
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高木仁志
外食産業に15年従事し、東日本大震災を機に困っている方のお手伝いがしたいと一念発起。福祉業界に足を踏み入れる。プライベートでは、小学生と保育園児の長次男に振り回される、ラーメンが好きなおっさん。
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