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【マニアックが語る】どこがすごいの?介護リフトのサブスクM.I.S.の労働環境改善支援 【解説】
2021.12.08

こんにちは!トランスファーサポートチームの栗原です。
少し前まで暑い暑いと言っていましたが急に寒くなり、すっかり冬が近づいて来たことを実感します。そろそろ雪の対策として、社用車のタイヤをスタッドレスに変えることを考えないといけないな、と考えている今日このごろです。私を含め、このように普段から危険を予測して対策、対応をとることは自然と行っていると思います。危険が見えているかどうか、またどのような行動をすれば良いかが明確になっているからこそ特に意識をしなくとも対策をすることが可能になります。弊社が提供するM.I.S.は労働環境の見える化を行い、対策としての介護リフトの提供、そのアフターフォロー・効果測定までを継続的に提供する『労働環境改善のための』サブスクリプションサービスとなります。

ケアを受ける側、ケアを提供する側、双方にとって安全で安心な労働環境って?

令和3年の介護保険改正はいくつかの指針が示されましたがその中でも私達が着目している指針が『自立支援・重度化の予防』と『介護人材の確保・介護現場の革新』になります。欧米先進諸国と比べると、日本では拘縮や変形を起こしている利用者様の割合が非常に高いということをご存知でしょうか?これは人力による無理な力が断続的な刺激となって、常に身体を緊張させてしまうことに起因しています。先進国では労働者の腰痛予防のために重いものを持たせてはならないという考え方が一般的になっています。その対策として介護リフト等の導入が進み、結果として利用者様への無理な刺激が少なくなり、変形・拘縮も少なくなっている、という結果につながっているのです。つまり、労働者の身体を守る労働環境が結果として利用者様を守る形となっているのです。
また、全産業の中でも医療・福祉の保健衛生業は労災が多く、特に腰痛に起因する労災の割合は非常に高い数値となっています。この数字は年を重ねるごとに増加しており、労働者にとって辛い産業という事実が積み上がってきているのが実情です。身体を壊す業界で働きたい、と考える人がどれだけいるでしょうか?そのため、今年9月末には、国から全国老人保健施設協会に対して、労働災害防止により一層の対策を求める要請が行われたりしています。このようにケアを受ける側、ケアを提供する側双方ともに安全で安心した労働環境の構築を行うことが必要な時代となってきていることは間違いありません。

ただ機器を納めるだけじゃない!M.I.Sは5ステップで導入前~導入後もサポート

私達は保健衛生業の労働環境改善のためには介護リフトは欠かせない福祉用具だと考えています。ですが、なかなか介護リフトの導入が進まなかったり、たとえ購入につながっても使い続けることを断念してしまったりというご相談をよく頂きます。そこで、導入するための根拠のデータ化(見える化)と、機器の使い方や考え方といった定着支援を包括的・継続的に提供するサービスとしてリリースしたものがM.I.Sとなります。
M.I.S.=Maipos Major Inspectallation Serviceの略であり直訳すると『マルポスメジャーを用いた現状調査から、適したリフトを導入するサービス』となります。このサービスは大きく分けると、下記の5つのステップから構成されています。

  1. 労働環境のヒアリングと現状把握、目標設定
  2. リフト導入プランの作成・導入前のレクチャー
  3. リフト設置と導入後の実践・定着サポート
  4. I.S.導入試験期間の効果測定
  5. 本使用スタート

ステップ① 介護リフト定着の要は現状把握にあり!

現状把握のためにはマルポスメジャーを用いた腰痛リスクの見える化を行います。こちらに関しては、先日浅草ほうらい様にご協力頂いた体験レビューを御覧ください。
腰痛リスクの見える化ってどういうこと? ~Malpos Major 初体験レビュー~ 

現状把握はマルポスメジャーだけではなく、労働調査のアンケートを用いて腰痛等身体状況・ストレス・労働環境のリスクのヒアリングを行います。アンケートの結果を施設の見取り図に落とし込んでいくと、職員の方々が日々働いている中でどこに危険が潜んでいるか、また日々負担に感じている業務がどこに集中しているかなどをデータ化することができるようになっています。また、腰痛や危険なケアの積み重ねがどのようなコストにつながっているのか、また介護リフト等を導入し負担が介護負担少なくなるとどのようなコスト削減につながるのかというデータを作成することが可能です。これらデータが見えるようになることで必要な理由や継続の理由が明確となります。数字は嘘をつきません。だからこそ、普段は数字に置き換えることができないことをできるかぎり数字に置き換え、誰が見ても納得できる形へ支援することがM.I.S.の最も重要なステップだと考えています。

ステップ② どこに何台?なんのために使うのか?を共有することが定着の近道!

現状把握ができたら次は行動に移すことになります。具体的にはいつから、どこに、何のために、何台のリフトを導入するか?という計画を立てていきます。ここで重要なことは導入してから使い慣れて結果が出るまでの期間が必要であることを意識することです。いつも私は包丁と料理の関係を例に出すのですが、料理をしたことがない方が包丁を買ってくればすぐに料理ができるようにはならないですよね?料理ができるようになるかどうかは良い包丁と買うかどうか、ではなく、包丁を使い続けることにあることは明白かと思います。ですが、なぜか福祉用具になると導入直後に成果がでないと不要なものであったり、継続されなかったりということがよく発生してしまいます。これは使い続ける価値であったり、どれくらい継続すれば成果がでるのかが共有できていないからこそ発生してしまうと考えています。そのため、介護リフトを導入する前に導入の意義や道具の使い方、また使い慣れるまでには数ヶ月の期間を必要とすることなどをリーダーの方を中心に職員の方々へ共有する機会を設けていくことが何よりも重要なのです。

ステップ③ いよいよ導入!月額料金には4セット分の介護リフト+定着ツール付!

計画が職員の皆さんと共有できたらいよいよ介護リフトの設置・運用の段階です。天井走行式リフトは1台1セット、スタンディングリフトや床走行式リフトは2台1セットで合計4セットの介護リフトを導入していきます。導入前の使用方法の実機レクチャーはもちろん、動画サービスにより使い方の復習や個別な対策、また先駆的に取り組んでいる施設の運用方法のインタビューなども常に確認することが可能です。介護リフトの定着には最低でも3ヶ月はかかると考えています。そのため、最初の3ヶ月間は定期的に利用状況を確認していき、運用が計画通りに行えていないケースへの介入を積極的に行っていきます。この3ヶ月を乗り切ることさえできればほぼ定着するケースが非常に多いため、ここが重要な期間となります。そのため、私達が訪問しての対応だけではなく、オンラインでの対応など様々なサポート窓口や定着ツールの提供を行っていきます。

ステップ④⑤ 3ヶ月の試用期間の結果を検証し、本使用へ

介護リフトを3ヶ月使い続けると特別な福祉用具から少し身近な福祉用具へと変わっていくことが実感できると思います。そのまま半年、1年と使い続けて頂ければ車椅子や介護ベッドと同じような身近な福祉用具へとやっと到達することができて定着が完了となります。しかし子供の成長と同じように日々触れているとその変化に中々気づけないかと思います。皆さんが取り組んでくださった3ヶ月間の変化をレポートの形でデータ化することでビフォー・アフターを振り返ることができるようになります。この振り返るという行動が成功体験に繋がり次の取り組みへの活力となるため、定期的な定点観測とデータの振り返りが労働環境の改善、ひいてはケアの向上につながると私達は考えております。

皆様と寄りSOELサービスを提供し続けていきたい

この12月、日本ケアリフトサービス株式会社から新しい介護リフトの『SOEL(ソエル)』シリーズが発売されます。天井走行式リフト、床走行式リフト、浴室用リフトの3機種を包括しているこのシリーズももちろんM.I,S.の対象となります。国産の介護リフトで日本の生活様式に適合するように開発されたため、皆さんの労働環境の改善にきっと役立てることができると思います。
利用者様へのケアを考えたいな、働くことの身体への負担を考えたいな、新しい職員に続けてほしいな・・・、こういった考えのある方々へのサポートができればと思い提供しているM.I.S.、是非一度ご相談ください!

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この記事を書いた人 栗原俊介
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福祉用具一筋15年。福祉用具に関する発信を続けていると「マニアック」と呼ばれるようになりました。趣味のロードバイクは自分の身体でシーティングの効果を実感したいことが始めた動機です。
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