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【元介護士が伝えます!】導入事例/あらゆる人が外出しやすい環境を目指す、府中市庁舎の新トイレって?

みなさん、こんにちは。
トランスファーサポートチームの山下です。

気付けばもう2月ですね。ついこの前までは冬とは思えない暖かい気候だったのに、年が明けてからより一層寒さを感じるようになってきた気がします。
寒がりだけど汗っかきの私は通勤時の電車内と外との温度差にどのような服装をするのか悩まされています。
暖房が効いている電車内でダウンジャケットを着ている人を見ると「暑くないのかな」と心配になります。
さて、今回のアップライドマガジンは新庁舎を開庁した府中市役所における介護リフトの導入事例をご紹介します。

 

外出した時、ほぼ必ずトイレに寄りませんか?

まずは、みなさんに質問させて下さい。

トイレに行きますか?

みなさんが外出した時、立ち寄った所にはほぼ必ずトイレがあるかと思います。
短時間の外出であれば寄らないかもしれませんが、車や電車で出掛けた時等の長時間の外出となると最低一回はトイレに寄るのではないでしょうか。
では、私たち健常者はさておき、介助が必要な方にとってのトイレは気軽に行けるところでしょうか。
現在、駅や商業施設等、様々な施設には通常のトイレだけでなく、車椅子使用者や介助が必要な方が使いやすいように手すりや広いスペースのあるバリアフリートイレが設置されています。
バリアフリートイレがあることで、比較的トイレへ行きやすい環境にはなっていると思います。

 

立ち上がれる方だけが使うわけではない!

しかし、バリアフリートイレが設置されていたとしても、それで問題が解決するわけではありません。
介護を経験したことのある方であれば、ご存じかもしれませんが、車椅子に乗られる方のトイレ内での主な介助の流れは下記となります。

・車椅子から立ち上がる
・ズボン等の着衣を下ろす
・体の向きを変えて便座に座る
・排泄後の陰部洗浄、清拭
・ズボン等の着衣を上げる
・体の向きを変えて車椅子に座る

これはあくまである程度立ち上がった姿勢を保てる方への流れとなります。
ですが、バリアフリートイレを使われる方の中には、身体的な障害により全介助を必要とする一方で、尿意や便意のある方がいらっしゃいます。
そのような方の介助となると上記のような流れではなく、

・備え付けのベッド又はトイレへ移る
・備え付けのベッド上でのオムツ交換

といった介助もしなければなりません。
ですが、備え付けのベッドが設置されていないバリアフリートイレもあるようです。
そうなると、行きたい時に行けない、我慢しなければならないといった状況になってしまいます。
また、ベッドが備え付けられていたとしても、トイレやベッドへの移乗は抱え上げることになってしまい、介助者の腰等の身体への負担は高まってしまいます。
介助者の身体への負担を気にして、ご本人がトイレへ行くことに遠慮がちになってしまう可能性もあります。
そのような状況だと、外出すること自体に対して引っ込み思案になってしまいます。
そんな問題を解決すべく、府中市は新庁舎建設に合わせて介護する側とされる側の双方にとって快適なトイレを整えました。

 

市役所に介護用リフト付きトイレ!?

府中市は昨年8月に新庁舎「おもや」を開庁しました。
建物内1階には介護用リフト付きトイレがあり、弊社の関連会社である日本ケアリフトサービス(株)の「SOEL CX-Cross」が設置されています。

市役所内のトイレにリフトを設置するお話を受けた時、私は

市役所のトイレに介護リフト!?初めて聞いた。
けど、あると便利になって、気軽に出掛けられるようになるかも…

と思いました。
担当者にお話を伺うと全国の役所等の庁舎に介護リフトの設置事例は2、3事例あるそうです。
今回新設された介護用リフト付きトイレには昇降機能付きのベッドも配置しています。

介護リフトと昇降機能付きベッドによって、トイレ介助での介助者の身体への負担はかなり軽減されます。

 

団体の声を形に!介護用リフト付きトイレがある府中市に気軽な外出を!

設置後、市役所の職員に介護リフトの設置に至った経緯を伺うと、とある障害者の団体から依頼があったそうです。

「障害者にとって使いやすいトイレがないと、外出する機会がなくなってしまう。」
「少しでも外に出かける機会があって欲しい。」
「こういった機器(介護リフト、昇降機能付きベッド)があることで、気軽にトイレに寄れるし、外に出かける良い機会になる。」

依頼を受けた職員の方は、そのように考えて、実際に介護要リフト付きトイレ設置を決定したとのことです。
また、介護リフトを設置するだけでなく、初めて介護リフトを使う方も困らないよう、使用方法が記載された説明書を掲示しました。同時に、市役所職員の方々に向けて使用方法の研修も行いました。もちろん、普段お体の不自由な方がトイレを使用される際に、市役所職員の方々が介助を行うわけではありません。しかし何かご利用者にお困りごとがあったりお問い合わせがあったりした際に、ひととおりの知識を持ってお応えできるようにという配慮からです。

 

介助者への負担だけでなく、介護を受ける方の負担も軽減

開庁後、とある他県のお客様に府中市役所の取り組みの話をした際にこのような言葉をいただきました。

「おしっこはオムツにすればいいけど、うんちはさすがにオムツにしたくない。だからあまり外に出かけたくはなかった。」
「こんな良い取り組みをしている府中市に是非行ってみたい。」

この言葉を聞いて、私はハッとしました。

介助者への負担軽減だけではない!
介護を受ける方が遠慮してしまうような環境になってはいけない!

と。
また、

「このような環境が当たり前になって欲しい。」
「私のように障害があったとしても気軽に外に出掛けられる世の中になってほしい」

と話されました。

介助をする、介護を受ける環境は様々で、介護リフトさえあればすべての課題が一気に解決するというわけではありません。
ですが、少しでもより良い環境にできるよう、介護リフトを通じて支援していきたいと改めて考えるようになりました。

 

介護リフトにご興味ある方は是非「CareTEX(ケアテックス)東京‘24」にご来場下さい!

話は変わりますが、3月12日(火)~14日(木)の3日間、東京ビッグサイト 南展示棟にて「第10回 CareTEX(ケアテックス)東京‘24」が開催されます。
今回、府中市役所に設置した「SOEL CX-Cross」のメーカーで、弊社の関連会社である日本ケアリフトサービス(株)も出展します。
販売代理店である弊社スタッフは会期期間中、ブースに立ちます。
介護リフトの製品だけでなく、運用や活用等の興味や相談がございましたら、ご来場された方はご気軽にお声掛け下さい。
また、会期中に限らず、お問い合わせはいつでも受け付けていますので、ご気軽にご連絡下さい。

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

※過去の「【元介護士が伝えます!】シリーズ」は以下からご覧になれます。ぜひ読んで下さい!
Vo.1→【元介護士が伝えます!】ノーリフティングケアの普及に大切なこと
Vo.2→【元介護士が伝えます!】介護リフトはなぜ普及しづらいのか
Vo.3→【元介護士が伝えます!】実例紹介/浴室リフト導入改修で、現場の空気まで変わった特養のお話
Vo.4→【元介護士が伝えます!】介護施設の方、必見!失敗しない介護リフトのトライアルサービス「サザンカ」
Vo.5→【元介護士が伝えます!】導入事例/遂にSOELシリーズが施設にやってきた!CX-Line編
Vo.6→【元介護士が伝えます!】導入事例/遂にSOELシリーズが施設にやってきた! MX編
Vo.7→【元介護士が伝えます!】天井走行式、床走行式 どのリフトを選べばいい?

 

ソエル
介護リフト
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この記事を書いた人
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山下奨
元介護士。最初は「No!リフト」派だったのが、次第にリフトの魅力に引き込まれ、「リフトを世の中に広めたい」と一念発起し、営業職へと転職。
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